nは自然数とする。
(1) xn
lim ――=0 を示せ。
x→∞ ex
(2) lim ∫0tx2n+1e−x2dx を求めよ。
t→∞
とある予備校のテキストに入っていた問題である。 この問題自体は何の変哲もない問題だが,そこで配られた解答に私は納得がいかないのである。 と言うより,数学を教える立場としてしてはいけないことを平気でやってのけているのである。
(1)の解答も問題がないとは言い切れないが,入試の立場では許容されようと思われるので省略する。 問題は(2)である。
(2) lim ∫0tx2n+1e−x2dx=Inとおくと,
t→∞
(以下省略)
これは普通の高等学校,あるいは予備校で絶対にしてはいけない間違いとして習ったはずである。 数学の世界では,適当なjがあり,j≦nなる任意のnおよび任意の正の数εに対して |f(n)−c|<εが成り立つとき,n→∞でf(n)はcに 収束するといい,cをその極限値と言う。 それ以外の場合はf(n)は発散すると言う。 発散する場合は極限値を持たない。 ではこの問題文の(2)で,この極限が収束すると言うことはだれが保証してくれるのだろうか。 そのような保証はないのだから,極限値をInなどとおくことはできないのである。
ではどのようにすればいいのだろうか。 高校数学において極限を求めるには,基本的に「□→∞のとき,(定数/□)→0」…(*), 「□→±0のとき,(正の定数/□)→±∞」と言う事実を使うか,挟み撃ちの原理を使うしかない。 ここでは(*)と(1)の公式を使えばいいだろう。
∫0tx2n+1e−x2dx=f(n)とおく。
d −1e−x2=xe−x2であるから,部分積分法により,n≧2のとき,
dx 2
f(n)=[−(1/2)x2ne−x2]0t
+∫0tnx2n−1e−x2dx
=−(1/2)t2ne−t2+nf(n−1)
∴f(n)−nf(n−1)=−(1/2)t2ne−t2
∴f(n)−f(n−1)=− 1 t2ne−t2
n! (n−1)! 2(n!)
n
∴f(n)=n!{ 煤@−t^(2k)e^(−t^2)+1−e^(−t^2) }
k=1 2(k!) 2
したがって,この式でt→∞とすると,
f(n)→n!×(0+1/2)=n!/2
よって答えはn!/2
(解答終わり)
分かりにくい箇所,もしくは「間違いの指摘なのに間違えるな!」と言うべき箇所があったら掲示板にお願いいたします。